宝永町248番地 第1話 [Wessay]
岡田のおじちゃん
ぼくは縁側に立っている。
目の前が真っ赤だ。夕焼けの中に吸い込まれたようだ。
季節はわからない。熱い。だけど動けない。
ただ赤い世界に見とれている。
まるで魂が吸い取られてしまって身体だけになってしまったようだ。
やっと音を聞くことができるようになった。
「パチパチ」
「バチバチ」
吸い取られていた魂が戻ってきた瞬間、恐ろしさが湧いてきた。
赤い世界は一匹の獣に変化してこっちに近づいてくる。
「こら、何をしてるんだ。こっちへ来い。」
誰かがぼくを抱きかかえた。
その腕から伝わる力の強さとぼくを連れ去るスピードの速さによって
はじめて自分だけが状況を飲み込めていないということに気が付いた。
家の外は家族と近所の人々の様々な声が飛び交っていた。
ぼくはばあちゃんにおんぶされていた。
その肩越しに見える赤い獣にぼくはまだ見蕩れていた。
消防車のサイレンの音がいくつも重なって聞こえてきた。
赤い消防車と赤い獣の闘いは思ったよりも呆気なく終わってしまった。
そして岡田のおじちゃんの一家はどこかへ引越していった。
ぼくは縁側に立っている。
目の前が真っ赤だ。夕焼けの中に吸い込まれたようだ。
季節はわからない。熱い。だけど動けない。
ただ赤い世界に見とれている。
まるで魂が吸い取られてしまって身体だけになってしまったようだ。
やっと音を聞くことができるようになった。
「パチパチ」
「バチバチ」
吸い取られていた魂が戻ってきた瞬間、恐ろしさが湧いてきた。
赤い世界は一匹の獣に変化してこっちに近づいてくる。
「こら、何をしてるんだ。こっちへ来い。」
誰かがぼくを抱きかかえた。
その腕から伝わる力の強さとぼくを連れ去るスピードの速さによって
はじめて自分だけが状況を飲み込めていないということに気が付いた。
家の外は家族と近所の人々の様々な声が飛び交っていた。
ぼくはばあちゃんにおんぶされていた。
その肩越しに見える赤い獣にぼくはまだ見蕩れていた。
消防車のサイレンの音がいくつも重なって聞こえてきた。
赤い消防車と赤い獣の闘いは思ったよりも呆気なく終わってしまった。
そして岡田のおじちゃんの一家はどこかへ引越していった。
2009-01-10 10:18
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